ASRの位置づけ
Azure Site Recovery (ASR) はAzure VMのリージョン間レプリケーションや、オンプレ/物理/VMwareのAzureへのフェールオーバーを提供するBCDRサービスです。(ASR概要)
レプリケーション/フェールオーバー/フェールバックをポータルから一元管理できます。
設計の型
- RTO/RPOをアプリ単位で定義し、優先度に応じてレプリケーション頻度/キャッシュ設計を決める。
- ネットワーク:DR先に同一VNet構造/NSG/DNSを事前作成し、IP再割当有無を決定。
- ID/シークレット:フェールオーバー後もアプリが認証/暗号鍵へアクセスできるようKey Vault/Managed Identityを準備。
リカバリープラン(自動化の核)
ASRのリカバリープランは、関連VM群のフェールオーバー順序/スクリプト/手順書をひとかたまりとして定義できます。
アプリ単位に小さく分割し、演習で磨き込みましょう。(リカバリープラン)
Azure→AzureのDRで押さえる点
- サイジング:DR先のコンピュート/ディスクSKUをあらかじめ選定
(必要時のみ起動でコスト最小化)。 - 高更新(High Churn)ワークロード向けオプションや料金考慮も重要(A2A FAQ)
オンプレ/VMware→AzureのDR
VMwareはASRレプリケーションアプライアンスでセキュア/堅牢に保護可能。
物理サーバーやAzure Stackも対象です。(保護対象の一覧)
既存のバックアップ/スナップショット運用と整合させ、リカバリ時のデータ整合性(アプリ整合)を確認します。
演習(DR Drills)の回し方
- 四半期ごとの計画演習で、ダウンタイム/手順の実測値を記録。
- 失敗ポイント(DNS切り替え、接続文字列、シークレット)を恒久対策に反映。
- 監査向けに証跡(誰が/いつ/どのプランを/結果)を保存。
コスト最適化
- 待機時はコンピュート停止でコスト最小化、課金はレプリケーション/ストレージ中心。
- 共有ディスクや大容量データはストレージ階層でコスト/性能のバランスを調整。
- タグ/コストアラートでDR環境のスプロールを抑止。
運用チェックリスト
- 重要アプリごとにRTO/RPO/依存関係を定義
- VNet/NSG/DNS/Key VaultをDR先に事前構築
- リカバリープランを作成し演習を定期化
- 監視/通知(アラート・ダッシュボード)を整備
- フェールバックの合意プロセスを設計
まとめ
ASRはプランを小さく分け、演習で磨き、コストは待機時最小化が鉄則。
まずはA2Aで基盤を整え、重要度の高いオンプレから順に取り込むのが現実的です
(ASRドキュメントトップ)
コメント