はじめに
“どっちで開くのが正解?”——Excel は同じファイルでも体験が違うアプリです。
Excel Online は“どこでも・同時に・安全に”が強み、デスクトップ版は“速く・深く・拡張可能”が武器。ここでは機能差を踏まえて、現場で迷わない使い分けの意思決定フローを示します。
強みの整理🔍
Excel Online(Web)
- 同時編集が前提。コメント/メンション/バージョン履歴で“合意形成が速い”。
- Teams/SharePoint/OneDrive と権限一体、共有リンクで配布がシンプル。
- 端末非依存・インストール不要。閲覧から軽修正まで最短。
共同編集の公式手順 → Excel ブックの共同編集
デスクトップ版
- 大規模データの高速演算、Power Pivot/Power Query、外部接続の柔軟性。
- VBA/アドインで業務ロジックを深く実装可能。
- 高機能チャート、分析ツール、プラグイン連携が豊富。
機能差の概要 → ブラウザーとExcelでの相違点
よくある問いに答えるQ&A(現場の判断基準)💡
Q1:マクロ付きブックはWebで動く?
A:作成/実行/編集はWebでは不可。閲覧と軽微編集は可能。
VBAを扱う作業はデスクトップ版必須。
→ 参考:WebでVBAマクロは操作不可
Q2:共同で“同じセル”を編集したい
A:Excel Onlineが得意分野。コメント/変更履歴/メンションで会話しながら合意が作れます。
Q3:100万行超+外部DB接続の重い分析
A:デスクトップ版+Power Query/Power Pivotが現実解。Webは表示・軽編集に留める。
シーン別“使い分けの型”🧭
- 日次/週次の報告書テンプレ:Excel Online(同時編集→承認者レビュー→確定版をPDF出力)
- KPI集計・モデリング:デスクトップ版(クエリ/モデル/ピボット→結果だけSharePoint表示)
- 現場からのデータ収集:Excel Online(入力規則+保護→破壊的変更を防止)
- RPA/業務ロジック:デスクトップ版(VBA/アドイン)
運用のコツ:壊れないワークブック設計🛠
- 入力と計算と出力の分離(シートを用途で分ける/名前定義で参照の安定化)。
- データはテーブル化で増減に強く。クエリやピボットの再計算を前提に設計。
- 権限はSharePointで制御、共有リンクは“組織内編集可”を基本に。
- バージョン履歴でロールバック前提、ファイル名に版を入れない(人力版管理は事故の元)。
まとめ(意思決定フロー)
- 目的確認:共同編集?重計算?マクロ?
- ツール選択:共同編集=Web/重計算・VBA=デスクトップ
- 設計:三分割+テーブル化+権限一体
- 公開/運用:リンク共有+履歴+Power Queryで再現性
- 継続改善:ボトルネック計測→設計修正で“壊れないExcel”へ
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