前回の記事では 小規模企業で活用できる Intune ポリシー適用の具体例 を紹介しました。
今回はさらに一歩進めて、Intune と他の代表的な管理ツールを比較 します。
「どのツールが自社に合っているのか」を判断する材料にしていただければと思います。
Intune(クラウド型デバイス管理)
- 特徴
- クラウドベースでサーバー不要
- Windows / iOS / Android などマルチプラットフォームに対応
- Microsoft 365 と統合され、セキュリティ・アプリ配布もシームレス
- 利点
- 初期コストを抑えられる
- リモートワークや外出先からも管理可能
- 小規模 IT チームでも導入しやすい
👉 詳細: Microsoft Learn – Intune とは
WSUS(Windows Server Update Services)
- 特徴
- Windows Update を企業内で一元管理できるオンプレミス型
- Windows OS 更新プログラムの承認・配布が可能
- アプリやモバイル端末は管理対象外
- 利点
- ネットワーク帯域を抑制できる(更新をローカル配布)
- Windows PC だけを対象にする環境には十分
- 課題
- サーバー構築・運用コストが必要
- Windows 以外のデバイスには非対応
👉 詳細: Microsoft Learn – WSUS の概要
Microsoft Configuration Manager(MCM / 旧 SCCM)
- 特徴
- オンプレミス中心の統合管理ツール
- OS 展開、パッチ管理、アプリ配布、インベントリ収集が可能
- Intune と連携してハイブリッド運用もできる
- 利点
- 高度で細かい制御が可能
- 大規模環境やオンプレ重視の企業に適する
- 課題
- サーバー構築・DB 管理が必要
- 小規模環境ではオーバースペックになりやすい
👉 詳細: Microsoft Learn – Configuration Manager ドキュメント
サードパーティ製 MDM
- 代表例
- VMware Workspace ONE
- IBM MaaS360
- JAMF(Apple 専用)
- 特徴
- マルチプラットフォーム対応
- ゼロトラストや詳細なモバイル制御に強み
- Microsoft 以外のエコシステムとの親和性が高い
- 利点
- 特定分野(Apple, Android)に強みがある
- 企業独自要件に応じた柔軟な機能を提供
- 課題
- Microsoft 365 との統合度は Intune に劣る
- ライセンスコストが高くなりがち
管理ツール比較表
ツール | 管理対象 | 導入コスト | 運用負荷 | 適する規模 |
---|---|---|---|---|
Intune | Windows / iOS / Android / macOS | 低(クラウド課金制) | 低 | 小規模〜中規模 |
WSUS | Windows のみ | 中(サーバー要) | 中 | Windows 中心の環境 |
MCM | Windows / サーバー / アプリ全般 | 高(サーバー+DB) | 高 | 中規模〜大規模 |
MDM(サードパーティ) | マルチプラットフォーム | 中〜高 | 中 | 特定要件のある企業 |
まとめ
- 小規模企業 → Intune が現実的。サーバー不要で運用負荷も少ない。
- Windows 限定で低コスト管理 → WSUS がシンプル。
- 高度な制御・大規模環境 → MCM が強力。
- 特殊要件や Apple 中心 → サードパーティ MDM が有効。
自社の規模・対象デバイス・運用体制を踏まえ、適切なツールを選定することが重要です。
👉 関連記事: 小規模企業でも始められる Microsoft Intune の基本機能
👉 公式情報: Microsoft Learn – Microsoft Endpoint Manager
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