小規模企業や一人情シスにとって、クラウド型の Microsoft 365 は業務効率化とセキュリティ強化の大きな味方です。
しかし、Business Basic / Standard / Premium など複数のプランが存在するため「どれを選べばよいのか?」と迷うケースも少なくありません。
本記事では 各プランの違い、コストと機能のバランス、そして最小限の構成から始める導入の考え方 を整理します。
Business Basic / Standard / Premium の違い
Microsoft 365 Business 系列は、中小企業向けに 300 ユーザーまで利用可能なライセンス体系です。主な違いは以下のとおりです。
プラン | 主な特徴 | 利用シーン |
---|---|---|
Business Basic | Exchange Online、Teams、OneDrive、SharePoint などクラウドサービスのみ。Office アプリはブラウザ/モバイル版に限定。 | コストを抑えたい企業、リモートワーク中心、既存 PC に Office 永続版がある場合 |
Business Standard | Basic の機能に加え、Word / Excel / Outlook / PowerPoint など Office デスクトップアプリが含まれる。 | 社内外での文書作成や資料配布が多い企業 |
Business Premium | Standard の機能に加え、Microsoft Intune、Azure AD Premium P1 などのデバイス管理と高度なセキュリティ機能が利用可能。 | デバイス管理やセキュリティ強化を重視する小規模企業 |
💡 ポイント
- メールと Teams だけでよければ Basic
- Office アプリを常に最新で使いたいなら Standard
- PC/スマホ管理や多要素認証などをまとめたいなら Premium
コストと機能のバランス
料金は地域や契約方法により異なりますが、日本法人向けでは以下が目安です。
- Business Basic:1ユーザーあたり月額 750円前後
- Business Standard:1ユーザーあたり月額 1,560円前後
- Business Premium:1ユーザーあたり月額 2,750円前後
小規模企業の場合、10ユーザー規模でも年間コスト差は数十万円に及ぶため、必要最低限の機能から選択することが重要 です。
- コスト重視 → Basic
- 作業効率重視 → Standard
- セキュリティ・管理重視 → Premium
最小限の構成から始める導入の考え方
中小企業にとって「全部入り」を最初から導入する必要はありません。
以下のステップで段階的に展開するのがおすすめです。
- ステップ1:コミュニケーション基盤の導入
Exchange Online(メール)と Teams を活用し、まずは情報共有を一元化。Basic で十分。 - ステップ2:Office アプリの統一
社内で古い Office が混在している場合、Standard に切り替え全員が同じバージョンを利用。サポートやセキュリティの安心感が向上。 - ステップ3:セキュリティ・管理の強化
デバイス数やリモートワークが増えた段階で Premium にアップグレード。Intune によるモバイルデバイス管理や多要素認証を展開。
まとめ
小規模企業が Microsoft 365 を導入する際は、「今必要なもの」から導入して段階的に強化する のが賢い選択です。
- コスト重視 → Basic
- 効率化重視 → Standard
- セキュリティ重視 → Premium
事業の成長に合わせてアップグレードできるのが Microsoft 365 の強みです。
まずは最小限の構成でスタートし、自社の状況に応じて柔軟に拡張していきましょう。
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